「キムタク」のはなし(anan No.1963 感想)
anan (アンアン) 2015年 7月22日号 No.1963 [雑誌]
- 作者: anan編集部
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2015/07/15
- メディア: Kindle版
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キムタクとかって呼ばれたときは・・・とかって気持ちはパス(笑)
長く仕事を続けて、木村拓哉という存在がどんどん大きなものになるにつれて、自身とのかい離や違和感のようなものが生まれたことも、"あったんじゃないですか"と、木村さんは言う。
「でも忘れました。忘れたし、キムタクと呼ばれたときはこうでした、とか、いまだにインタビューでがたがたほざいていたら気持ち悪くないですか?(笑)そういう気持ちはパスしちゃっていて、ストックは全然してない。(後略)」
(2015年7月 an・an)
聞くたび、見るたび、読むたびに勝手に彼の弱くて切ない部分を覗けた気がして、「キムタク」について彼が語っている内容が、そしてその変化を感じるのが好きです。
こんな風に答えるようになったんだな~とまた新たな発見ができた気がしました。
「キムタク」と呼ばれ,国民的な人気者になった木村くんは,実際の自分と偶像化された自分とのギャップに心をすり減らした。
「女子高生とかに"キムタク"って言われた時に,わりとイラッとしてたり。自分自身をきめつけられるような感じがして,イヤだったのかな。」
彼が、「キムタク」と向き合った時着地点は2011年のここにあって、これがゴールなんだなあと放送当時も思っていたし、ここから変わることはないんだろうな、と最近まで思っていました。
「キムタクって呼ばれ始めた時はこうだったよ、と達観して、笑いながら話せるようになった」ことで、彼の中でもうこれは解決したのだと思っていたんです。
今年になって、「キムタクについて語ること自体がナンセンスだ」というニュアンスに変わっていることに驚いたし、40代になっても少しずつ気持ちは動いているんですよね。
勝手な願望ですが、彼には歳をとっても丸くなりすぎないで、キムタクって呼ばれたら少しイラついていて欲しくて、
「もうキムタク呼びに抵抗ない」と言う彼は既に丸くなっちゃったんだなあ、と少しさみしい気持ちでいました。
でも、解決しきったようにみえた「キムタクとの向き合い方」が5年くらいの年月をかけて未だに動き続けている事が、丸くなりきってない、ちょっととがっている彼らしさなのかもしれない。
彼がこれから「キムタク」といくら仲良く向き合おうが距離を置こうが、気持ちの変化という点での「とんがっている」部分は持ち続けてくれていて、私はその変化を楽しみながら彼を見続けていられるなあ、好きだな〜と思ったのでした。
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関連して、「キムタク」と呼ばれ騒がれ始めた当時、彼が「キムタク」に宛てて書いた手紙の内容を載せておきます。今からちょうど20年前のことです。
「キムタクへ。
けさ歯を磨くとき、鏡に映ったおまえの顔を見て、思わず笑いそうになった。
『みんな、コイツのどこがいいんだ?』って、夏のクソ暑い朝に寝グセの長い髪がやけにムカついた。
表向きではSMAPとか言われてキャーキャー騒がれてるかもしれないけど、おまえだって外に出れば日焼けしたミニスカートの女の子を気にして目で追っかけてるくせに・・・。
そんなヤツが女の子の間で”キムタク”なんて言われてるのを見ると、マジでふざけてるって思う。
キムチだか沢庵だかわかんねぇ目つきの悪いおまえのどこがいいんだ?
だから今、そんなおまえに、いくつか言っておきたいことがある。
おまえさぁ、本当にSMAPの一員でよかったな。
おまえ以外の5人がいなかったらきっと今頃なんでもない、つまらないヤツだったと思う。
ライバルでもありパートナーでもあるメンバーがいたからこそ、今おまえは”キムタク”なんてよんでもらえるんじゃねぇか!?
それから、いつも自分を支えてもらってるってことを忘れるな。
この言葉は、俺が両親にいつも言われてることだけど、特別におまえにも教えてやる。
小さなことでも、どれだけの人がおまえを支えてくれてるのか考えたことあるのか?
たまにはそんな人たちに感謝して、その人たちのために何かできることをやってみたらどうだ!?
負けず嫌いのおまえだから、こんなこと言ったらまたムッとするかもしれないけど、どのぐらいのことができるか、俺もちゃんと見ててやるからやってみろ。
もしだらけそうになったら、他のメンバー5人をよく見てみろ。
そうすれば自分が何をすればいいのかわかるはずだ。
それで、もし俺も納得できることができたなら、おまえのことを”キムタク”って呼んでやってもいいと思う。
でも、なんでこうやって、おまえに手紙を書いてるのかって考えると段々しゃくにさわってくるから、この辺で終わらせる。
木村拓哉」
(1995年8月放送 24時間テレビ「愛は地球を救う」)